プライバシーモード
プライバシーモードは、機密性の高いプロジェクトで作業する際にデータのプライバシーとセキュリティを保護するTraeの重要な機能です。このモードを有効にすると、コードやデータがローカル環境から外部に送信されることを防ぎ、完全にオフラインでの開発体験を提供します。
プライバシーモードとは
プライバシーモードは、以下の状況で特に有用です:
- 機密性の高い企業プロジェクト: 企業の知的財産や機密情報を含むコードベース
- 個人情報を含むプロジェクト: ユーザーデータや個人識別情報を扱うアプリケーション
- 規制要件への準拠: GDPR、HIPAA、その他のデータ保護規制に準拠する必要がある環境
- オフライン開発: インターネット接続が制限されている環境での開発
プライバシーモードの有効化
方法1: 設定メニューから
- 設定 > プライバシーに移動します
- プライバシーモードを有効にするトグルをオンにします
- 確認ダイアログで有効にするをクリックします
方法2: コマンドパレットから
Ctrl+Shift+P(Windows/Linux) またはCmd+Shift+P(macOS) でコマンドパレットを開きます- "Privacy Mode: Enable" と入力して選択します
- 確認ダイアログで有効にするをクリックします
方法3: プロジェクト設定ファイル
プロジェクトの .trae/settings.json ファイルに以下を追加します:
json
{
"privacy": {
"mode": "enabled",
"level": "strict"
}
}プライバシーモードで制限される機能
プライバシーモードが有効な場合、以下の機能が制限または無効化されます:
AIアシスタント機能
- コード補完: AIによるコード提案が無効化されます
- チャット機能: AIアシスタントとのチャットが利用できません
- コード解析: 自動的なコード品質分析が停止されます
- リファクタリング提案: AI駆動のリファクタリング提案が無効化されます
クラウド同期機能
- 設定同期: 設定のクラウド同期が停止されます
- プロジェクト同期: プロジェクトファイルのクラウドバックアップが無効化されます
- 拡張機能同期: 拡張機能の設定同期が停止されます
テレメトリとアナリティクス
- 使用状況データ: 使用統計の収集が完全に停止されます
- エラーレポート: 自動エラーレポートが無効化されます
- パフォーマンス監視: パフォーマンスデータの送信が停止されます
オンライン機能
- 拡張機能マーケットプレイス: オンライン拡張機能の検索・インストールが制限されます
- アップデート確認: 自動アップデート確認が無効化されます
- ライセンス検証: オンラインライセンス検証が停止されます
プライバシーレベルの設定
プライバシーモードには3つのレベルがあります:
基本レベル (Basic)
json
{
"privacy": {
"mode": "enabled",
"level": "basic"
}
}- AIアシスタント機能のみ無効化
- ローカル機能は完全に利用可能
- 一部のオンライン機能は利用可能
標準レベル (Standard)
json
{
"privacy": {
"mode": "enabled",
"level": "standard"
}
}- AIアシスタントとクラウド同期が無効化
- テレメトリは匿名化されて送信
- 重要なセキュリティアップデートのみ確認
厳格レベル (Strict)
json
{
"privacy": {
"mode": "enabled",
"level": "strict"
}
}- すべての外部通信が無効化
- 完全にオフラインでの動作
- 最高レベルのプライバシー保護
プライバシーモードでの開発
利用可能な機能
プライバシーモードでも以下の機能は完全に利用できます:
- コードエディティング: 全ての編集機能
- デバッグ: ローカルデバッグ機能
- ターミナル: 統合ターミナル
- ファイル管理: プロジェクトファイルの管理
- Git統合: ローカルGit操作
- ローカル拡張機能: 既にインストールされた拡張機能
代替ワークフロー
AIアシスタント機能の代替として:
- ローカルコード補完: 言語サーバーベースの補完機能を活用
- オフライン文書: ローカルにダウンロードした技術文書を参照
- コードテンプレート: 事前に作成したコードスニペットを使用
- ローカルツール: ESLint、Prettier等のローカルツールを活用
プライバシーモードの無効化
一時的な無効化
json
{
"privacy": {
"mode": "disabled",
"temporary": true,
"duration": "1h"
}
}完全な無効化
- 設定 > プライバシーに移動
- プライバシーモードを有効にするトグルをオフにします
- 確認ダイアログで無効にするをクリックします
セキュリティ考慮事項
データの暗号化
プライバシーモードでは、ローカルデータが追加で暗号化されます:
json
{
"privacy": {
"encryption": {
"enabled": true,
"algorithm": "AES-256-GCM",
"keyDerivation": "PBKDF2"
}
}
}アクセス制御
json
{
"privacy": {
"accessControl": {
"requirePassword": true,
"sessionTimeout": "30m",
"maxFailedAttempts": 3
}
}
}監査ログ
json
{
"privacy": {
"audit": {
"enabled": true,
"logLevel": "detailed",
"retention": "90d"
}
}
}トラブルシューティング
よくある問題
問題: プライバシーモードが有効にならない 解決策:
- 管理者権限でTraeを実行
- ウイルス対策ソフトウェアの除外設定を確認
- ファイアウォール設定を確認
問題: 一部の機能が予期せず制限される 解決策:
- プライバシーレベルを確認
- 設定ファイルの構文エラーをチェック
- 拡張機能の互換性を確認
ログの確認
プライバシーモードのログを確認するには:
bash
# ログファイルの場所
~/.trae/logs/privacy.log
# ログレベルの設定
{
"logging": {
"privacy": "debug"
}
}ベストプラクティス
プロジェクト設定
- プロジェクト開始時: 機密性に応じてプライバシーレベルを設定
- チーム共有:
.trae/settings.jsonをバージョン管理に含める - 定期的な見直し: プロジェクトの進行に応じて設定を調整
セキュリティ強化
- 定期的なパスワード変更: アクセス制御パスワードを定期的に更新
- 監査ログの確認: 定期的にアクセスログを確認
- バックアップ: 暗号化されたローカルバックアップを作成